あたまの中を整えよう。

なんでもない日々を記録します

田舎移住で自給自足的な番組を観て思うこと

最近よく見る、田舎に移住して自給自足していますみたいな番組。

 

すごく極端な暮らしぶりだなと毎回感心してしまう。薪を使ったり、太陽光パネルを使っていて、電気やガスがタダ、水は湧水、食も自宅の田んぼで育てた米や畑の野菜がとれ、肉などは物物交換で成り立っている。さらに家は築何百年の建物だったりする。電子レンジや掃除機などは使わない。風呂は薪で沸かす。

 

テレビで表面的に見る分にはのんびりして楽しそうなだけの印象だが、裏では相当の苦労があるのだろうと思う。大体の人がお金で解決することを全部自分でやるのだから、生活をするための労働時間は相当あるはず。

 

そのため、夫婦ともに生きる力に溢れている。凡人レベルでは真似してはいけない生活である。趣味は自給自足です、と言い切れるくらいの振り切れたレベルでないと無理。

 

何故か都市部の高学歴の人がこういった暮らしをするケースが多い気はする。恐らくは、学歴に見合った進路に就くことができなかった→普通の層で暮らしていても学歴が高ずぎるゆえに目立ってしまう→田舎で自給自足し、社会から一定の距離を置き、金や物欲にまみれた世の中を俯瞰することで自尊心を保つみたいな感じは多少あるような気はする。

 

山間部で育った私(農家ではないが)からすれば、そんな暮らしは積極的にやろうとは微塵も思わない。祖母と父は日本昔ばなしに出てきそうな山々の中で育った人で、農家としての苦労話は散々聞いている。畑の手伝いとかもして身をもって体感もしている。ただ、そんな環境で育った父は手先が器用でなんでも自分で出来る。確かに生きる力的なものを感じるタフさがある。(残念ながら私には全くない。)これも向き不向きはあるだろう。

 

子供には生きる力を身につけさせたいということだが、子供の本音はどうなんだろう。テレビなどの情報統制をされていれば、何ともない幸せな日常だと思うが、学校の友達との話題とかについていけるのだろうか。

 

そういえば以前別の番組で、どこかの国の民族の女の子と日本の東京の女子高生を交換して、それぞれの自宅に住まわせるような番組をやっていた。

 

民族の女の子はそもそも日本の田舎レベルの暮らしではなく、まさに民族そのものの伝統的な暮らしの中で生きてきたレベルなので、あまりにも違う、東京の暮らしには最初すごく戸惑っていた。

 

ただ、だんだんと都会の暮らしに慣れるにつれて、本当に楽しそうに暮らしている印象だった。自分と同年代の日本の女子高生とゲーセンでプリクラ撮ったり、スイーツ食べたりと、学生ライフを満喫していた。それと同時に自分のところの暮らしぶりと比較をして落ち込んでいるようにも見えた。

 

最初は自分の住んでいるところが一番!と言っていたが、国に帰る頃には、あまり浮かない表情だったし、新しい世界を知ってしまったことで不幸な気持ちが生まれてしまったようだった。その去って行く背中が寂しげに映ったのをよく覚えている。

 

そんな経験も将来することもあるのではないか。

 

子供には子供の人生があるから、みたいに自主性を尊重はしているけれど、こういった極端な趣味的なものに付き合わされる子供もたまったものではないなと思うところもある。

 

ただ、色んな生き方や家族の形があるので、他人がとやかく言うものではない。自分自身も凝り固まった頭をもっと柔軟にして生きていきたいと思う。